2023年5月12日に赤十字国際委員会(ICRC:スイス・ジュネーブ)が発表しました。
本校の第3代校長(現顧問)である今村節子先生が受賞されたこの賞は、ICRCのフローレンス・ナイチンゲール記章選考委員会が、フローレンス・ナイチンゲールの精神を受け継ぎ、他に例をみないほどの献身的な活動や行為に対して授与するもので、今回は世界22の国から37人が受賞しました。
日本からは3人が受賞しており、その名誉と価値は並大抵のものではありません。今回の受賞は、日本の看護学界における偉大な功績を称えるものでもあります。
今村節子先生は、多くの学生が支援を受けている「公益社団法人 教育・ヘルスケア振興節英会」の設立者でもあり、長年にわたり看護・医療・福祉分野での研究や教育に取り組んできました。
今回の受賞は、本校の歴史と共に刻まれる重要な出来事であり、大変誇りに思います。
本校の学生たちも今村節子先生のように、更なる努力を重ね、社会に貢献することができるよう願っています。
【今村節子先生の功績~鹿児島県の近代的な看護教育のスタート~】
今村節子先生は、現在98歳。
第2次世界大戦の時代背景のもと、聖路加女子専門学校(現:聖路加国際大学)で看護を学びました。
終戦後、GHQに医療と看護の確立を後押しされながら、一貫して保健ということを大切にし、看護教育を続けました。戦後、近代的な看護教育の必要性を考えた鹿児島県が、当時、聖路加の看護学校を卒業されたばかりの今村節子先生に3年越しで懇願して鹿児島に招聘しました。それまでは日本赤十字社が主となり、戦時下の看護実践を基にした看護教育がなされており、当時は裾の長い白衣にエプロンをつけたスタイルでした。
今村節子先生は、「根拠に基づいた看護、看護技術教育」こそが看護教育のあるべき姿、との使命感に燃えて鹿児島県の看護教育に新風を吹き込みました。当時の鹿児島県では先生が持ち込まれた看護の教育方法や看護物品、看護衣は斬新で画期的でした。先生がそのときに身につけられていた看護衣とキャップの綺麗な姿が新しい看護の象徴であり、当時先生の教えを受けられた方々は看護職になるという誇りに満ち溢れ、その後、リーダー的存在として鹿児島県の看護に貢献しました。
日本の看護教育を追究し、鹿児島の看護教育の礎を築いた功績を認められ、さらに集大成として、看護師のキャリア形成支援と地域力向上のための地域交流複合施設の開設を目指す活動などが評価されました。
受章者のプロフィールは
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